「はじめてのUIデザイン」を読んだ
はじめてのUIデザイン 改訂版 Kindle版を読みました。(なんと、Kindle版100円で購入できます!買うしかない!)
せっかく読んだので、簡単に感想を書こうと思います。
本を読む前のモチベーション
自分はUIについて考えることが好きです。より良いUIを提供することはフロントエンドエンジニアをやる上で、大きなモチベーションの一つです。
実務でも実装やアクセシビリティの観点から検討・議論・フィードバックを行なっています。
たまに "うまく言語化できないが直感的に違和感を感じるUI" に直面することがあり、そんな時、「なぜ違和感を感じているのか?」「その違和感は単なる好みなのか?」をぱっと説明できず、もどかしさを感じることがありました。その度に、もっと知識を増やし、多面的にUIの適切さを考えられるようにしていきたいと思っていました。
必要に応じて断片的にUIについて調べることはあっても、体系的な学習は恥ずかしながらできていなかったように思います。
この本は、「UIを体系的に学びたい初心者向け」の本として書かれているため、断片的な知識を整理し、 「基本だが抜けている知識」を補う手助けとなるのではないかと思いました。
また、デザイナーの視点も知れるのではないかと思い、多面的な視点からUIを検討するためにプラスになることを期待して読みはじめました。
面白かった点
個人的に面白いなと感じたことを2つ挙げたいと思います。(他に興味深かったことは深掘りして別記事にしたい)
フロー図
自分のチームでは基本的に、デザイナーさんが要件から情報、フロー、画面デザインを起こし、それをもとにチームで確認・議論などを行います。そのため、「フロー図」という形で情報のみを整理した状態でフローや一つ一つの画面を整理するというやり方はとても面白いと感じました。
おそらく作業段階ではみんなやっていると思うのですが、エンジニアである私やその他チームメンバーにはデザインが当たっている状態で共有されます。
そうすると、情報、フロー、デザインが一緒になった状態で確認や議論をするため、何に対しての確認・議論なのか曖昧になることがあります。
そのため、デザイン適用前の情報だけの状態で、フロー図として整理し、そこで一度確認・議論する方が個人的にはとてもわかりやすくて良いなと感じました。その方が、それぞれ何に違和感を感じているのかわかりやすいですし、手戻りも少なくなるのではないかと感じました。
言葉のデザイン
「詳しくはこちら」のような具体性のないラベルや、「送信を受け付ける」のようなシステム主体のラベルは避けましょう、という内容が記載されていました。
「こちら」のような表現はアクセシビリティ の観点から気にしており、敏感になってきたのですが、システム主体のラベルは少し怪しいかもしれないと感じました。
エンジニアをしていて開発部署だけの会話に慣れていると、他部署の方やIT業界と全く異なった業界のお客さまに説明する時、すぐわかりやすい言葉が見つからないことがあります。
そのような感じで、システム的なラベルや表現に気付きにくくなっている面もあるのかなと思い、言葉のデザインは改めて気をつけようと思いました。
本の中では、「UIデザインにおいてビジュアルと同じくらい大事なものは「言葉」」と表現されていましたが、それほどまでに言葉を重要視できていただろうか?と考え直す機会となりました。
感想
読んでみたところ、期待通りでした。初心者向けということで、とてもわかりやすかったです。
基本的なことが体系的にまとめられているため、頭の中にあった断片的な知識が整理されていくようでした。
そしてこちらも期待通り、「基本的なことだが足りていない知識」 を補う手助けとなりました。 この本の中で紹介されていた記事や本を手に取りさらに深めて行ったり、キーワードで調べたり、実戦でトライしたりと、次のステップに進むために十分な要素を盛り込んでくれているように感じました。
実務の中で、『デザイナーにどこまでのことをフィードバックして良いのだろうか』『単なる主観や好みになってしまっていないか』『エンジニア目線の意見に偏り過ぎてしまっていないか』と迷うこともあるのですが、本には実装者目線での考え方もしっかりと記載してあって共感と共に、安心感を得られました。
チームでこの書籍を読んで、共通認識を揃えておけば、コミュニケーションも取りやすいのかなぁと感じました。
最後に
面白かった!良い本を驚きの安価で提供してくださっており、多くの人に読んで欲しいというお気持ちを感じました。しっかり生かしていきたいです。ありがとうございました!